レイクトラウト駆除へ 〜中禅寺湖


食害でヒメマス不漁

 国内では中禅寺湖(日光市)だけに生息する外来魚「レイクトラウト」の食害で、ヒメマスなど在来魚が脅かされているとして、中禅寺湖漁協(吉田国男組合長)がレイクトラウトの駆除に乗り出すことになった。ただ、レイクトラウトを目当てに訪れる釣り客も多く、論議を呼びそうだ。

 中禅寺湖のレイクトラウトは1970年ごろ、当時の水産庁がカナダから移入、自然繁殖した。独立行政法人・水産総合研究センター中央水産研究所が昨年6月に調査したところ、レイクトラウトと同じ外来魚のブラウントラウトの両方とも、胃の内容物はユスリカのさなぎが最も多かったが、ヒメマスも捕食し、その割合はレイクトラウトが突出して多かった。坂野博之研究員は「ヒメマスにとって脅威になっているのも事実」としている。

 地元の漁師、荒井芳喜さん(78)は「釣れたレイクの腹からは15〜20センチのヒメマス5〜6匹やワカサギが数十匹も出てくる。年々レイクは増えている感じだ」と危機感を抱いている。

 同漁協は、近年のヒメマスの不漁は、同一湖内で近親交配を重ねたため繁殖能力が落ちているほか、食害も原因の一つと判断。今月中にもプロジェクトチームを結成して、資源調査も兼ねてレイクトラウトを釣って駆除する。

 ただ、レイクトラウトは近年、スポーツフィッシングの対象として人気を呼んでおり、釣れなくなれば、釣り客が減って遊漁料に頼る漁協経営を圧迫する恐れもある。6年前から中禅寺湖に通い、6月13日に体長1メートル超のレイクトラウトを釣った群馬県太田市の会社員椛沢幸弘さん(32)は「国立公園という最高のフィールドで1メートルクラスの魚を釣ることができる希少な湖」と話す。吉田組合長は「レイクトラウトが減れば減ったで新しい問題が出てくるだろう。頭が痛い」と話している。

(2008年7月18日 読売新聞)


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